【本の紹介】今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則/“チーム”にするには?

こんにちは。

今回もサッカー本とは違うジャンルの本の紹介になります。

チームビルディングを行うために手にした一冊です。

この本を手にしたのは昨年の夏前くらいでした。夏休み期間で合宿や招待試合が増えていくという中、担当していたチームの選手たちはまとまりがイマイチな感じであり、
どうしたらチームとしてお互いのことを認めて高めていけるような集団になるのかなと悩んでいました。

そこへの解決方法を探している中、書店で目に止まり手に取ったのが今回紹介させていただくこちらの本でした。

表紙からお気付きの方もいるとは思いますが、この本は漫画『ジャイアントキリング』の内容をケーススタディとしています。

サッカーなどのスポーツの世界だけでなく、会社内の部署、プロジェクトチームなどビジネスの場面でも役立つのではないのかなと思います。

漫画『ジャイアントキリング』を題材としているのでよくある漫画の解説本と思われるかもしれませんが、僕自身の感想としてはその域を超えて現実世界でも使える内容になっていると思います!

「グループ」から「チーム」へ

まず始まりとして「グループ」と「チーム」の違いとは何か?という問いかけが読者にされています。

グループはチームよりも少人数で構成される団体?
チームはより大勢の人たちから成るもの?

様々な考え方があるとは思いますが、僕もこんな感じでしか思いつきませんでした。

結論を言うとこの本では「グループ」が成長して「チーム」になるという考え方をしています。
その成長には段階があって「70点のグループ」が「赤点」を経て、「120点以上のチーム」になっていく。それはこの本の題でもあるように今いるメンバーでまわりの期待を超える(ジャイアントキリング)チームとしています。そのためにはどうすればいいのか。ここへフォーカスしていきます。

僕の中でハッとなったのは「優秀なリーダー」についての言及です。
優秀なリーダーがいることは全く悪いことではないのですが、盲点として、それだけでは最高でも優秀な「グループ」にすぎず、ジャイアントキリングを起こせる「チーム」にはなれないという部分でした。

自分自身が指導するチームについてみてみると(僕が決して優秀なリーダーであるわけではありませんが…)確かに先頭に立つ指導者だけがいくら力を出そうと躍起になっていても、選手たち全員を含めての「チーム」にならないと結果や成果が表れてこないのかなと思いました。

この本にはこのようなチームビルデイングを行なっていく上でハッとなるヒントがたくさんあります。

モチベーションの正体

ヒントのひとつにモチベーションという部分があります。

この本でいうモチベーションの正体とは「自己重要感」であるとしています。
簡単に言うとチームから自分が必要とされているという認識です。これがモチベーションとなりチームのために自らができることを探して実行し、チームメイトと共同しながら課題の解決や研鑽ができるようになっていくと書かれていました。

このチーム(仲間やコーチ)から必要とされる感覚というのはすごく大切だなと感じます。何事もバランスなのですが、今の育成年代の子たちを見ていると、自分に自信が持てない選手が多いなと感じます。僕の実感としては思春期の中学生が多いのかなと思いますが、小学生でもそのような子を目にします。
分かりやすいのはスタメンで出れていない子。身長が小さい子や足が遅い子、そもそもですが技術的に周りに劣る子など。自分はこのチームに必要とされていないのではないのかなと考えたことがある子は小学生年代でも少なくはないのではないでしょうか。

チームビルディングの視点からは少しズレてしまったかもしれませんが、そのような自分に自信といったもので表される「自己重要感」というものはすごく大切になってきます。=モチベーションということは、それがないと良くなっていこうという向上心と成長がなくなってしまいます。

コミュニケーション

これは指導者(組織をまとめる)側の視点のヒントになるものでした。

チームに所属する人たちのモチベーション(=自己重要感)を高めるためには、そこで指揮をとる立場である監督やコーチ、ビジネスであれば上司やリーダーたちがどのように接していけば良いのか?
この相手(チームメンバー)の自己重要感を上げるコミュニケーションをジャイキリの達海監督がチームのメンバーにしている場面がケーススタディで取り上げられています。

指導者にとってコミュニケーションとはもしかすると命であり生命線なのかなとここでは感じました。
メンバーたちの士気を高める人をモチベーターとよく表現しますが、指導者(特にチームの監督)はここが肝でありもしかしたらこれが指導力と言われるものの正体なのかもしれないです。

自分ごと化

本書の中でジャイキリ達海猛の「チーム」についての考え方が紹介されています。

チームっていうのは、個の力が集まって初めて形になる。
個の力を伸ばす手っ取り早い方法…そいつはスバリ、チームがゲームに勝つことだよ。
じゃあ、どう勝つのか。自分の働きでチームを勝たせる…全員がその感覚を持って戦えば、おのずと勝利は近づいてくる…そして、チームに貢献できるそういうプレーこそが、本当に評価に値するプレーなんだ。

人によってそれぞれの考え方があっていろんな感想がでてくると思います。みなさんはどう感じましたか?

ここでの肝はチームで起きていること、またチームの結果に対して「自分ごと化」できるかどうかという点です。
チームで起きていること、次の試合に向けてチームで取り組もうとしていること、チームの問題点や課題に対して、チームのすべての人が自分自身のこととして考えること。そして自分がどうすること(自分の働き)によってチームを良い方向(勝たせる)に向かわせることができるのか考え行動すること。よくいう当事者意識を持たせることだと達海は話しています。

僕が難しいなと感じたのは試合にコンスタントに出れている選手たちに比べて、控えや試合に出れない選手たちは自分ごと化することに苦労するなと思いました。チーム状況についてイメージを持ちづらく、また当事者意識も試合に出れていない分どうしても薄くなってしまう。

このバランスを理解しながらうまくまとめて皆を同じベクトルに向かせていくのが指導者、監督、上司、リーダーの役割であって、そこにコミュニケーションは欠かせないのかなと。そんなふうに感じました。

結果として…

この本を読んでから僕の見ているチームの状況が劇的に良くなったかといえば全くそうではありません。むしろずるずるネガティブな方へ行ってしまった感があります…
本当に「チーム」にするということは難しいことであり、成果や結果を出すことはより難関なミッションであるなと今年度は痛感しました。

僕の話になってしまいましたが、こちらの本が僕のチームをまとめる際の参考になったことは間違いありません!中学生の子たちであるので、次から次へと大小様々ですが、色んな問題が起きます。(笑)
その中でこの本に書いてあるコミュニケーションの項であったり、モチベーションの項を参考に選手たちに接する様にしました。

ひとつのヒントとして読む価値は充分にある一冊であると思います!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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