【サッカー本】教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術

こんにちは!

今回はサッカー本をご紹介します。佐伯夕利子さんといえば、2020年よりJリーグ常任理事となり国内のメディアに登場する機会が最近とても増えられた印象です。

僕も2年前に自チームが合宿形式の大会に出場するため遠征に行った時に、夜に開かれた参加チームの指導者たちによる交流会に佐伯さんがいらして、いろんな話をしてくださったのがすごく刺激的で面白かったのを覚えています。

今回の『教えないスキル』では海外トップクラブの育成について感じることができるのと、そこから日本の育成について考えるきっかけになればなと思います。

お腹いっぱいだろう。この話からは卒業しよう。

この言葉を話した人物は、ビジャレアルの育成改革元年のメソッドダイレクター。この話とはポジショナルプレーや4-3-3といった戦術や技術的な話のこと。

『君たちはもう熟知してるはずだ。お腹いっぱいだろう。この話からは卒業しよう。今日から生まれ変わるのだ。』

育成年代の目標はフットボールの技術・戦術を上げることだけではなく、1人の人間をどう育てていくのかということが根底にきています。

育成プログラムを当てはめていくのではなく、選手一人ひとりがプログラムであり、その個人に目を向けていかなければならない。
ビジャレアルの育成改革の肝は、全てのカテゴリーに統一したゲームモデル、フォーメーションを用いてゲームやトレーニングを行うといったメソッドを構築するということではないというところが僕にとっては斬新でした。

「いいね!」は無意味な言葉

ここにはすごく納得をしましたし、すぐに直近の自分の指導中の言動を思い返しました…
現象として現れるプレー(結果)だけを取り上げがちになってしまうが、そこまでの過程で選手自身がどのように取り組んでいたのか、また以前と比べて成長できているのかを指導者は観察しなければいけません。

「グット!」「ナイスプレー!」「すばらしい!」こんな言葉はついつい咄嗟に僕の口から出ているのです、、、本を読んで変えようと思ってもつい出てしまうこれらの言葉たち…

しまった!また意味のない言葉を口にしてしまった…と、
quick、to the pointで効果を出すシンクロコーチングの機会を逃してしまっていることに気づく日々です。

生き易いけれど、息苦しい日本

育成の話になると、行く行く必ずその国の教育の話になってしまうのは僕だけなのでしょうか…

現在の日本の教育制度には限界がきているのではないか、時代に適してはいないのではないか、旧態依然のままとなっていないかとこの本でも問題提起としてふれられています。

秩序はものすごく重んじられる一方で、人権は軽く扱われていないかと問題提起しているのは佐伯さんだけではないと思います。自分自身も気づかぬうちに周囲や指導している最中に、このようなイズムを与えてしまっているのではないのかなと感じます。

世界を追い越すフットボール選手を育てるには

この問題を解決していく手段として、先にもふれた日本の教育や習慣へのテコ入れが不可欠であると感じます。

そしてこの事実について、育成年代に関わっている日本の指導者の方の多くはもう気づいておられるのではないかとも思います。

ただ道のりは険しく困難であり、1人や少数の力では到底解決できる問題ではないことはサッカー指導者だけでなく、教育の業界に身を置く中ではどんどん感じることです…

少しづつ、そして微力ですが、現在の日本サッカー指導者一人ひとりの意識改革をしていくことで未来の日本のフットボールの様相が変わってくると思います。これは口だけでなく行動で日々示さないといけません。

大事なのは常に自分自身を見直し続けること。
このやり方で本当に正しいのか、もっと良いやり方はないのだろうかと常に自分にベクトルを向け続けて刷新していくことがサッカー指導だけでなく大事なことなのだと思います。

変えるものが大きなものであればそれだけ時間とパワーが必要になってくるのですが、それでもまずはそこに気付くことが第一歩であると思います。

その新たな気づきを得ることができる一冊だと思いますので、ぜひ読んでみてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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