こんにちは。
今回はサッカー関連の本の紹介です。
怯まず、驕らず、溌剌と。
この言葉は兵庫県の名門滝川第二高校サッカー部のスローガンです。
指導者となった今チームを見させてもらい育成年代の子たちと関わる日々の中で、
この言葉は何と的を得た絶妙なキャッチコピーなんだろうと改めて深く感じるものがあります。
著者の黒田和生先生は、神戸市のクラブチームで指導者をスタートし、その後兵庫県の滝川第二高校サッカー部監督、ヴィッセル神戸、チャイニーズタイペイの育成年代、A代表監督を歴任されました。
はっきりと明確になっていない、僕自身が考える「育成論」のもやっとした曖昧な部分に輪郭を与えてくれたような感じがしました。
指導者によって考え方は様々であり何が正解なのか分かりません。
誰かの真似をすればその人のような良い指導者になれるわけでは決してないのですが、この本にある黒田先生のスタンスには大きく感銘を受けました。
理想のコーチ像とは
本書の中に故デットマール・クラマー氏のこんな言葉が紹介されていました。
「理想のコーチは、クイーン・エリザベスとお茶を飲み、ハンブルクの水夫と酒を飲むという両方ができるコーチでいなければならない」
コーチはそれだけ大きな器を持つことが大切であるということ。またそうなるために、良き師、良き友、良き書物から多くの知識を得て、勉強することへの意欲を持ち続けることが大切である。
現在はサッカーのテクニックや戦術を教えることが優先されがちになっていますが、心と脳に刺激を入れることが大切であるとおっしゃっていました。
僕も大学後に入ったクラブでは、指導者はサッカーだけ教えていてもダメだ。もっと色んな分野の勉強をし、教養を持ち、保護者をはじめ大人といろんなジャンルの世間話ができないといけない。それが指導の幅に大きく影響しているとよく言われていました。
クラマーさんのこの言葉、それをチョイスして本に載せた黒田先生と、この2人が重要としていた考え方を知り、自分がここまで目指していたものに間違いはなかったんだなということがすごく嬉しく感じました。
ここ数年で一番
読んだ後の感想は、ここ数年の読んだサッカー関連の本の中で一番しっくりきたです。
去年のこの時期くらいにこの本が出版され手に取りましたが、当時の悩める僕自身にとって黒田先生のサッカーを通して人を育てるということ、そのことについてどう考え、どう実践されてきたのか、という指導者のスタンスに共感ができたのと一種の導きをもらったためなのかもしれません。
また前述した理想のコーチ像など、自分がここまで大切であるとしてきたスタンスに対して、この本が太鼓判を押してくれたような気もしたのも大きいです。(単に僕の都合の良い解釈なのですが…笑)
僕なんかが大変恐縮ですが、指導者を目指している方、現在している方にオススメしたい本です!
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