【本の紹介】弱くても稼げます シン・サッカークラブ経営論

こんにちは!

今回は新書を紹介させていただきます!

昨年から新書にハマっており、気が向くまま様々なジャンルに手を出しているのですが、今回はサッカー関係の本になります。

クラブの収益はどこから?

さっそくリアルな話から入りますが、クラブの収益について考えさせられるものがありました。

Jリーグのクラブの財源の半分以上はスポンサー収入と言われております。

僕が以前勤めていたJクラブも6割がスポンサーからの収入でした。

しかし、J1のクラブなどそれなりに費用対効果が大きいクラブと地方のJ3クラブではスポンサー側が出してくれる額は異なってきます。

またJリーグができる前に企業のサッカー部として活動してきたいわゆる責任企業があるチームは、たとえ赤字が起きたとしても内部留保のような形でクラブを支えてくれる企業がバックにいたりします。

そんな中、後ろ盾のないクラブはどうしてもスポンサー収益以外のところで収入を得なくてはいけません。

こちらの著者の1人である小山淳さんが関わるJ3『藤枝MYFC』と関西リーグ1部『おこしやす京都AC』の収益の出し方は、僕も知らない内容であり、なるほどなと勉強になりました。

僕自身が所属するタウンクラブもスポンサー獲得のために営業活動を行なってはいますが、収益の大半はスクール事業におけるスクール生の会費になります。

Jクラブでも、タウンクラブでも、所属選手とスクール生の会費が大きな収入源であり、それに続いて自前のフットサルコートなどのコートレンタル料や単発のサッカー教室やイベントによる参加費収入、クラブによっては幼稚園、保育園の正課授業を担当するようなことで収益をあげているのが実際のところだと思います。

それが良い悪いという話ではなく、単純にサッカーだけで収益を出していくことが大変であり、それ以外の分野でも安定した収入を見込めた方がサッカークラブの活動をより安定的に維持できるといった話です。当たり前なのですが。

その一つのヒントがこの本にはあるなと思いましたので、今回ご紹介させていただきました。

弱くても稼げます、というタイトルの意味がまず出てきますのでぜひ読んでみてください!

クラブのブランドマネジメント

ブランドマネジメントについても、また新しい知見を得ることができました。

今では当たり前に行われているブランドマネジメントですが、アメリカでそれが注目され始めたきっかけは日本にあったという話からそもそもブランドとは何か?から入り、サッカークラブのブランドがどういった効力を発揮するのか。もしくは発揮させていかなければいけないのか。

ブランドの価値の源泉について考える項で海外クラブやサッカー以外の日本のスポーツクラブを例に出している時に、僕が所属するクラブに置き換えた時に、これからの時代の無数にあるサッカークラブの1つとして持続可能で生き残っていくための必要な概念としてブランドマネジメントは重要だなと読みながら思い考えていました。

ブランドというと大げさなイメージを持つ部分もありますが、『クラブの存在価値』といった話になってくるのかと思っています。

Jクラブ(J1〜J3にトップチームが所属している)ではないタウンクラブ(その中には各カテゴリーのクラブチームやスクールも含めて)は、大部分では飽和状態になっているかと思います。

地域やカテゴリーによってはそうでない所もありますが、大半は隣のクラブと選手や場所の取り合いするような構図になっています。

競合他社がひしめく現在のサッカー界の中で生き残っていく為の手段としてブランド(ブランディング)を見直すことは重要なポイントになるなと勉強になりました。

一見、日々の中でいつも考えているようなことでも、立ち止まって本来の目的や意味を再度考え直す、見つめ直す作業や時間は大事ではないのかなと考えるこの頃です。

Jクラブとタウンクラブの今後

僕自身はこの本を読んではじめて知ったのですが、Jリーグは2021年にJ1~J3に所属するクラブ数の上限を60にするという方針を固めているそうです。

(本を読むと新しいことを知ることができるので良いですよね!笑)

その背景としては『競技レベルを維持するため』だそうです。

これまで拡大路線を進めてきた日本プロサッカークラブは、現在飽和状態となり、ここからは先ほどと重複しますが、それぞれのクラブの質を問われるような時期に入っていくのかもしれません。

「Jリーグを目指す!」「Jリーグに参入します!と宣言をして活動するクラブは全国的にどんどん増えているなという印象です。

また既に地域リーグ、都道府県リーグに所属するチームがJ参入に向けて本腰を入れるようなところもあり、育成カテゴリーだけでなく、社会人カテゴリーもチームが増え続けていくまさに群雄割拠のような状態になっている印象です。

僕が所属するタウンクラブ、監督をさせてもらっている社会人チームと、それぞれのクラブ、チームが『何のために存在しているのか』『何を目的に存在しているのか』を考える、考え直す、改めて考えてみることが必要な時になっているなとこの本を読んで感じました。

(まとめるのが下手で、文章も下手で、すごく書きながら落ち込んでいます…笑)

もちろんフットボールを楽しむ機会をつくれている、コミュニティの場としてでも全然良いと思います。

ただ、そこに所属する人たちを養っていくためとか、仕事としてそれで生活をしようとしていくためといったことを目的にしているところは、生き残るのがどんどん厳しくなっていくような時代に入っていることも理解しないといけないのかなと思いました。


とにかく様々な知見を与えてくれる一冊であることは間違いないので、サッカークラブに関わる方はぜひ読んでみてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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