こんにちは。
今回はサッカーの指導者として現場に関わる方にはおすすめしたい一冊です。
オランダのアヤックスで専属アナリストとして活躍され、現在(2019年6月時点)はサガン鳥栖の に就任されている白井裕之氏の一冊です。
サッカーを理解していない人がサッカーを教えるとどうなるのか。
サッカーはとてもカオスなスポーツであり、正解や再現がなく様々な事象に影響を受けます。
先ほどサッカーを理解すると書いてしまいましたが、理解できるものでもないのかもしれないので、
正しくはサッカーを理解しようとしない人、サッカーを知らない人がサッカー指導者になるとどうなるのか?といったことなのかもしれないです。
日本サッカーの底辺である育成への提言とともにこの本を読んでの感想をまとめました。
分析ができるコーチは怒鳴らない。
本の冒頭で読者に対して、オランダのサッカー指導や育成理論を強要するような本ではないと説明しています。
著者の方が伝えたいのは、「オランダ式〜」ではなく、指導者として間違ったマインドなのだと感じました。
分析ができるコーチは怒鳴らない。
この本に出てくる一文ですが、「分析ができないとダメ!」ということでなく、「分析ができないから怒鳴るんでしょ?」ということであります。
僕自身の解釈としては、怒鳴ることが全て悪いとは思っていません。それも一つの指導のツールであると思っています。
ただ往々にして、怒鳴り続ける人にサッカーを理解、論理的に合理的に本質を見て子供たちに接している人は少ないというのが、日本サッカー界のグラスルーツを中心とした現場の実情であることは否定できないと感じます。
ミスは気合では解決しない。
サッカーで起きるミスは、「認知(知覚)のミス(見えているか、いないか)」「判断のミス(見えていたが選択を誤った。最善の選択ではなかった)」「実行のミス(キックミスやコントロールミスなどの技術的なミス)」の3種類と言われます。
どのミスも気合だけで改善することは不可能であると少し冷静に考えれば明白です。
またそのミスを起こした要因は、そこまでの選手の心理状況、グランド環境、対戦相手、スコア、時間帯、気温、選手の能力、技術、監督の指示など様々であるのがサッカーというスポーツです。
もしかしたらそのミスを起こしたその選手に直接フィードバックする必要がない場合もあるかもしれません。
そのことを重々承知の上で、ピッチにいる選手が次のプレーにのぞめるように、同じミスが起きないように、その経験が次に繋がるようにしていくのが指導者の役割です。
僕も指導している時に、目に入った現象に対して深く考えずにパッと思ったことをそのまま口にしてしまうことがありますが、振り返り反省しています。
選手のプレーを改善するために、どの種類のミスであり、原因は何なのか。その選手はどうすればプレーを改善できるのか。それを伝えるためにはどの手法を用いるのが一番効果的か。
僕自身も日々研鑽していかなくてはいけないです…
分析論と戦術論、コーチング論を分けて考えることを推奨している。
厳しい指導や我慢することの是非、人間教育をどこかに置いておいて、分析論の観点でみると…
この本の中に出てくるフレーズですが、サッカーで起きる一つのプレーを様々な角度からではなく、全てをごっちゃにして(特に気持ちの問題)しまっていることが多いように感じます。
僕も同じ観点だけではなく、違う視点を持つようにしようと考えています。
サッカーにおける戦術、技術、原理原則、自チームのプレーモデル、目の前の現象を観た時に整理できていないことが間違った改善(気合いだ!と怒鳴り続ける)を生んでしまうようになるのだと思います。
サッカーを合理的に分析
目の前で起きていることをきちんと見極められる目と改善策を打ち出せるだけの知識や経験、それを選手やチーム全体へアウトプットできる力が指導者の生命線であり、自分のそれがどうであるのかを常に見直さないといけないと思います。
インプットとアウトプットの両方の質を上げる。それを続けていくことでしか成果は生まれない。
独りよがりにならず、頭でっかちにもならず、目の前の選手たちが生き生きとサッカーをしながら成長できているのかを絶対の指標としてこれからも現場に向き合っていきたいと思います!
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