【サッカー本】EXTREME FOOTBALL エクストリームフットボール

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こんにちは!

今回は発売してすぐに購入したサッカー本の紹介になります!

本を読むスピードが遅くて、買ったけど読んでいない本が山積みになっているこの頃です。(年中そうなのですが…)

レッドブル帝国

僕が初めてフットボール界でレッドブルの名を聞いたのは、レッドブル・ザルツブルクでした。宮本恒靖さんが所属していたことで知ったのですが、おそらく日本で名が知られるようになったきっかけは宮本さんの移籍なのではないのかと思います。

近年だと20代初のブンデスリーガ1部の監督に就任したナーゲルスマンによって、RBライプツィヒが知れ渡ったのではないかなと思います。

その辺からレッドブルの名を持つクラブが世界に次々と出てきて、レッドブルとはどうやらすごいことをしている組織だということが知られてきているような流れである気がします。

ドリンクメーカーとしてオーストリアに本社をかまえるレッドブルグループはエクストリームスポーツ(速さや高さ、危険さや華麗さなどの「過激な」要素を持った、離れ業を売りとするスポーツの総称:Wikipedia引用)からスポーツ業界に進出しました。

フットボール業界の最初は本社があるオーストリアのレッドブル・ザルツブルクが始まりです。そこからドイツのRBライプツィヒ、アメリカのニューヨーク・レッドブルズ、ブラジルのレッドブル・ブラガンチーノと世界中にその勢力を拡大していきました。

フットボール業界の構図を破壊する

僕がこの本で面白かったのは、それぞれのクラブやサポーターとレッドブル側のやりとり(もはや闘いなのですが)の部分でした。個人的には本書の最大の見所だと思います。

僕も初めて知ったのですが、レッドブルは1からクラブを立ち上げたのではなく、既に存在しているクラブを買収して、レッドブル色にリブランディングしていくという手法を取ってフットボール界に参入(参加という方が良いのか)してきました。

買収したオーナー会社が経営権を持って運営を担うことでクラブの中身を変えていく、といった一般的な話ではないのがすごく面白いところでレッドブルは買収したクラブのエンブレム、チームカラー、ユニフォーム、チーム名まで変えてしまうという、強引な改革を行いました。

「レッドブルが紫(ザルツブルクの元々のクラブカラー)になったら、それはレッドブルとは呼べない」と、反発するサポーターに対し挑戦的で一歩も引かない態度を貫くほどでした。

クラブの長い歴史そのものを変えてしまうという暴挙に対して当然サポーターは大反発します。(当たり前ですが笑)ものすごい反対抗議や行動の嵐の中でもスタンスを決して変えようとしないレッドブル経営陣。その一方、大資本が入ることで目に見えてどんどん強くなっていくチームと、壮絶な変化がこれまでがあったのだなと読んでいて面白かったです。

ザルツブルクから始まり現在ではその資金力でシティグループらと同様にフットボールの世界をまさにエクストリームに変えていっているグループになっています。

当時レッドブルが突然何もかも変えてしまったクラブのサポーター目線でみれば、すごく衝撃的な事件でスケールが大きすぎてただただ面白かったです。(笑)

若手の登竜門

レッドブルグループの特徴として僕が興味を惹かれたのは、若い選手と若手の指導者にクラブが価値を見出しているという事です。

若手選手については、レッドブルで育成した後に他クラブへ高く売るというシンプルな経営戦略が根幹にあるようです。その為、レッドブルグループのゲームモデルも比較的身体的にアグレッシブで、プレッシングもハードにいくようなフットボールを目指すようにしているのかなという印象です。

その方針を決める立場であるスポーツダイレクターのラルフ・ラングニックは若手選手について本書の中で「」という言葉を残していました。

指導者においても、若くてモチベーションが高い指導者にどんどんトップチームの監督を任せているような印象を受けました。

その理由として、本の中ではドイツのクラブがユースチームのコーチをトップに昇格させるのには「若手選手とのコミュニケーション能力が優れていること」があげられています。

無名に近いような若手の指導者を監督を抜擢するというクラブ(ほぼラングニック?)の決断とその状況下で結果を残していく監督たちの実力に、日本のフットボール界はまだまだ海外に届かないよな〜という寂しさを感じました…。

日本は何を学ばないといけないのか

まとめ的になりますが、レッドブルグループから日本のフットボール界も若手選手と若手指導者にもっと目を向けていく必要があると感じました。

日本では小学校から高校まで6-3-3年の周期でカテゴリー分けをされています。近年では高校卒業後に4年制の大学カテゴリーを経てプロになっていくキャリアが目立つようになってきました。

ユース、高校からプロ入りした選手たち19〜22歳の時期に90分のゲームを毎週コンスタントに経験できるような機会が少ないことは整備しないといけない問題であると感じます。一時サテライトチームへの出場機会と拮抗した試合経験の場として、J3にU23チームとしてFC東京とセレッソ大阪が参入していました。(残念ながら現在は様々な理由から撤退しています)

レッドブルグループが注力している年代の選手たちに日本フットボール界ではぜんぜんリソースを費やせていないのが現状ですが、様々なハード面でなかなか手をつけられないのかなと想像しています。

世界のフットボールでは高いインテンシティと継続したハードワークを求められる傾向があり、それを担う選手たちとしてはより若い選手にフォーカスを当てていくことは重要になってくると感じました。

若手監督の抜擢

もうひとつは、若手の指導者のトップチーム監督への抜擢についてです。

少し前のブンデスリーガ バイエルン vs RBライプツィヒでは、レッドブルグループを経た経歴のある34歳のユリアン・ナーゲルスマンがバイエルンの監督で、一方のRBライプツィヒを率いていたのは36歳のドメニコ・テデスコでした。

日本に置き換えて考えると、J1の試合で30代前半の監督同士の対戦があとどれくらいで観ることができるのか。(ちょうど僕ら世代…)

そもそもハード面として、30代前半でS級ライセンスを取得できるのかどうかというところ。ライセンス制度とその内容については、日本のライセンスがUEFAライセンスとの互換性を持てるように整備していくことは大きな課題であり、急務なのかなと個人的には感じています。特に去年B級を受けた身としては。

日本独自路線もあって然るべきですが、いかんせんW杯優勝を目指すのであれば、海外に追いつくためにフットボールの理解をより深めていくことと指導者のレベルアップが絶対に必要になってきます。

フットボールは本当にどんどん進化しています。

新しい考え方や概念、方法、戦略などを学んだ若い監督がトップカテゴリーのピッチに立てるように抜擢していくことをやっていかないと難しいのかなと思います。

大前提として僕ら世代の指導者が力をつけないといけないのですが…

個人的な見解ですが、選手たちのフットボール観を上げていくためにこの国のフットボール文化を変えていくことが必要になるのと全く同じで、指導者のレベルを上げていくという視点においても、この国によりフットボールの文化を定着させていくことがものすごく重要だと感じました。

結局は日々勉強と研鑽をしていくこと。

現場から学び、現場以外から学び、現場でアウトプットしていくことの繰り返しかなと。

そして目の前の選手とチームに真摯に向き合うことを続けていきたいと思います。



最後まで読んでいただきありがとうございました!
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